わたしの祖父の家は二重サッシ

mado_yuki
北海道へ旅行にいったとき、旅館の窓ガラスが二重になっていたことに驚きました。室内には石油ストーブがあって、金属タライがのっていてお湯が湧いていました。外は雪がちらついているというのに、部屋の中はぽかぽかと暖かく、しかもとても静かで、ぐっすりと眠れたのを覚えています。

朝起きると窓には霜が付いていて、まるで雪の結晶のような模様になっていました。決して山奥にある旅館でもないのに妙に静かだったので、その理由をお母さんに尋ねたら「雪が音を吸収するからだ」といっていました。でも旅館におばあさんは、二重サッシの窓は断熱性能とともに防音性能も優れているのだと教えてくれたのです。確かにそのあと外に出たら自動車の音とかが意外とよく聞こえていて、まわりの雪が吸収しているという感じではありませんでした。

そして去年の夏休みに、埼玉にあるおじいちゃんの家に遊びに行ったとき、窓ガラスが二重サッシになっていることに気が付きました。おじいちゃんは北海道出身でもないし、特に寒い地方というわけではないのですが、なぜそうなっているのかを聞いてみたら、最近リフォームしたついでに窓も変えたということでした。

けれどおじいちゃんの家の窓ガラスは、もともと普通の窓ではなく、合わせガラスの高性能ガラスだったのです。それをわざわざ二重サッシに変えるなんて、たしかにお金持ちのおじいちゃんですが、もったいないことをするなあっと思ったものです。ところがおじいちゃん曰く、夏の暑さや冬の寒さなど、室温の変化についていえば合わせガラスも充分効果的だったようですが、こと騒音に関しては、二重サッシでないと対応できないんだそうです。とはいえもう耳が遠いおじいちゃんが、どうして騒音が気になるのかと思ったら、書斎でギターを見つけちゃいました。今度近所のおじいちゃんたちとバンドを組むそうで、練習する音が外に漏れないか気になってしかたないんだそうです。