あれは記録的猛暑と騒がれていたある夏のことだった。私は友人の家に車で遊びに行くことになった。友人の家には一台しか駐車場がなく、仕方ないので私は友人宅の近くにある立体のタイムズに車を停めることにした。運の悪いことに1階も2階も空車がなかったため、屋上に停めるはめになってしまった。今朝から「今日は今年一番の暑さになるでしょう」と散々お天気お姉さんが言っていただけあり、ものすごく強い直射日光である。まあ、だけど一応友人宅で夜ご飯もいただくことになっているし、夜遅くなれば少しは涼しくなるだろうと、私はあまり気に留めず車から離れた。

友人の家に着いたときには、私は汗だくだった。きっと今日は熱中症のお年寄りがたくさん出るだろうとか、こうも暑いと光化学スモッグが出るだろうとかいう話になった。それくらい、とても暑い日だったということだ。久しぶりに会ったということもあり、友人との話は尽きず、結局その日は友人宅に泊まることになった。

次の日、友人宅をお暇して車に辿り着いた私は唖然となった。車のフロントガラスが割れていたからだ。車上荒らし？と一瞬思ったけれど、ドアは無事だし車の中も無事のようだ。そもそも取られるようなものも置いてないのだけれど。私は保険屋さんに来てもらうことにした。きっと誰かにいたずらされたのだろうと思ったからだ。ところが保険屋いわく、この割れ方はいたずらではないとのこと。ならば誰が一体何のために…。すると意外な真実を突きつけられた。以前フロントガラスに小石が当たった時にヒビが入っていたのを放置していたのだが、そこから雨水が入り、昨日の猛暑でそれが蒸発するときにフロントが割れてしまったのではないかとのことだった。ということは、犯人は太陽？と私が言うと、保険屋が大真面目にうなずいた。えぇ～…！？私はがっくりと肩を落としたのだった。