親と喧嘩して閉め出されたので、窓ガラスを破って中へ入ってやった

glass_watta
最近1歳になる息子の後追いが始まった。トイレに行くにもどこに行くにも「ママ、ママ」と私を呼びながらついてくる姿を見ていると、トイレくらい一人でゆっくり行かせてよと困惑しつつも、やっぱり可愛い。最近自我が強くなり私を困らせることもしばしばで、正直イライラすることもある。だけどそんなとき、「ママだいしゅき」と抱き着いて来られると、全てチャラになってしまうから、ずるいなあ…と思う。こんなに可愛いのに、こんなに幼いのに、あと10年ちょっともしたら同じ口から「うるせぇ、くそばばあ」と言われる日が来るなんて信じられない。そんな子に育ちませんように…と願うけれど、私にそっくりな顔をしているこの子もきっと私と同じようになるんだろう。

幼い頃から気の強かった私は、思春期のまっただ中、それはそれはもう激しく親とぶつかったものだ。きっと「ママだいしゅき」と言ったはずの口で、「黙れって言ってんだろくそばばあ(母)」とか、「うるせぇハゲ(父)」とか悪態をついては両親を怒らせ、時には泣かせたものである。

一度なんか親と喧嘩して閉め出されたことがあった。真冬の寒い時期、私は「こんな家出てってやる」と捨て台詞を吐きながら家を飛び出した。まだ携帯電話の無かった時代である。当てにしていた友達の家に行ったものの、運悪くみんな留守だった。行くあての無くなった私は仕方なく家に戻ったのだが、いくら呼び鈴を押しても出てこない。頭に血の上った私は、リビングにある窓ガラスを、近くに落ちていた石で破って中へ入ってやったのだ。両親は怒り狂い再び修羅場となった記憶がある。

今では私も大人になり、両親もすっかり丸くなったのですっかり仲良しだ。あんな修羅場も今では笑い話である。尖っていた時期も成長過程なのだから仕方ない…と思いつつ、やっぱり自分の息子には素直に育ってほしい。私は息子の寝顔を見ながら、思わずぎゅっと抱きしめたのだった。