男と女では脳のしくみが違うのだから、妻の望むような夫になって欲しいというのは無駄な願望なんだそうだ。そう納得させてみようと思っても、納得いかないときは納得できないものだ。だから家を建てた後とか、子育てがひと段落した後とかが、一番離婚のリスクが高まるらしい。我が家が今その状態だ。
息子は二人とも小学校に上がり、注文住宅の家を完成させて引っ越したばかりという、ダブルリスクを背負っている。だからなのか、私は今夫に対するイライラを押さえることができない。家を建てる打ち合わせの段階で、私のこうしたいという願望を、夫に予算の都合でと何度も却下されたことが、未だに深く根を下ろしているのだ。オール電化にしたいという願望も、太陽光発電を取り入れたいという願望も、ペアガラスにしたいという願望もだ。
確かにこれから子供たちにお金がかかるので、あまり贅沢は言えない。だけどオール電化や太陽光発電は仕方ないにしても、ペアガラスにするというのは私のわがままではない。結露や防犯から家を守るためにも必要なことなのだ。家が完成してから今でもずっと、私は例え費用がかかってもいいからペアガラスに変えようと言い続けている。だけど夫はガラスなんか割れてなきゃいいくらいにしか考えていないようで、ガラスの交換についての夫婦間の温度差は激しい。
冬季でもペアガラスにすれば暖かいだとか、結露が付きにくくて家が傷みにくいだとか、防音面でも防犯面でも普通のガラスよりはずっといいだとか、ペアガラスのよさを口酸っぱく言い続けているにも関わらず、打った太鼓が響かない虚しさを感じている。こうなったら本当に離婚届でも夫に差し出して、私の本気度をわかってもらうしかないのかもしれないと思う今日この頃だ。
アモルファス合金・金属ガラス